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【吟遊詩人】♪ヴィルレーで壊れたね♪【第六十四楽章】

59 名前: 名も無き軍師 投稿日:2004/08/23(月) 23:57 ID:T3RIcDjg
母さん 僕のあの帽子 どうしたでせうね
ええ 夏 ホラからサンドへ行く道で
峪底へ落としたあのキノコ帽子ですよ

母さん あれは好きな帽子でしたよ
僕はあのときずいぶんくやしかった
だけど いきなり風エレが吹いてきたもんだから

母さん あのとき 向こうから若いモンクが来ましたっけね
紺の脚絆に手甲をした
そして拾おうとして ずいぶん骨折ってくれましたっけね
けれど とうとう駄目だった
なにしろ深い峪で それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの

母さん ほんとにあの帽子どうなったでせう
そのとき傍らに咲いていた車百合の花は
もうとうに枯れちゃったでせうね そして
秋には 灰色の霧があの丘をこめ
あの帽子の下で毎晩ファンガーが啼いたかも知れませんよ

母さん そして きっと今頃は 今夜あたりは
あの谷間に 静かに雪がつもっているでせう
昔 ピカピカ光った あのキノコ型の帽子と
その裏に僕が書いた
BRD というジョブ名を
埋めるように 静かに 寂しく