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【吟遊詩人】♪メリポの果てにみた夢♪【第七十楽章】

787 名前: 496 投稿日:2005/03/26(土) 22:22 ID:OwL1Q6tc
だがジュノでの生活は当然のごとく楽ではなかった。
当たり前だ。駆け出しの無名の詩人など誰も見向きもしない。
歌うだけでモンスターから極度に敵視される。
喉を潤せばエレが襲ってくる。
俺は何をやってるんだろう?
自問自答しても何も変わらない。
歌いたい。ただそれだけだ。
しかし街頭で歌う毎日が続く。それが果て無きと思われた。
が あの日、大公邸の警備であの光景を見た時に誓っていた。
いつか俺も満席の晩餐会で歌えるようになることを。

しかし歌えないのではそれも夢のまた夢だ。
そんなある日、サンドリア王国でパレード開催の噂を耳にする。
「見て損は無いだろう。行ってみるか・・・。」
未だ訪れた事のない国、
そう思うと期待と好奇心でいてもたっても居られなくなった俺は
すぐさま準備を整えてサンドリア王国へと向かった。


初めての土地だけに思いのほか時間がかかったが
ようやくサンドリアに着いた。
なんとかパレードの開始には間に合ったみたいだ。
人だかりをかきわけて最前列に陣取り、
その時をひたすら待った。

やってくる、遠くから。凱旋のように。
そこで見たものに衝撃を受けた。
あの晩餐会とは違った優雅・荘厳・幻想があったからだ。

気が付くと辺りには誰もいない。
普段通りと思われる生活が目の前にあった。
まるで夢でも見ていたんじゃないかと思うくらいに、
それは記憶の中だけの物となっていた。

 「王国に移籍願だしたら俺もあの中に入れるかな?」
無理なのはわかっていたのでため息ひとつ。
 「ハァ・・・。折角だし城下でも探索してみるか」
呟いてギルドや店をのぞいてみる。
 「楽器専門店は無いのか・・・」
木工ギルドに申し訳なさそうに置いてある程度で
とても暇つぶしにできる量じゃない。
聞いた話によると王国の専属詩人は楽器支給だそうだ。

 「集え!パーティの心得を学びたい方!」
突然のシャウト。
 「時間もあるし行ってみるか。」